『れんあいごっこ』の感想以前の何か

くろば・U先生の『れんあいごっこ』を購入しました。

くろば・U先生はまんがタイムきららMAXで『ステラのまほう』を連載されている方で、こちらは学校の部活でゲームを作るという話で我々技術系オタクにはなかなか良さのある描写が多い上に百合成分も充実してて最高なんですが、今回購入した『れんあいごっこ』は成年コミックの百合モノです。要するにガチなやつですね。

この記事は紹介記事ではないので、作品の紹介も何もせずにただただ感想だけ書き連ねますけど、ついでにネタバレもしますけど、まあとにかく最高なのです。

霞ちゃんと希理ちゃんはぶっちゃけ僕的にはどうでもよくて、それはそれでまあ幸せになってくれれば良いんですけど、由真ちゃんと伊佐ちゃん(蛍灯ちゃんね)の関係がすごく好きでしたね。

書き下ろし部分で由真ちゃんの過去編が追加されていて、救いの無さはそこかしこから感じるんですけど、結局のところ現実に救いなんてなくて、どこかで折り合いをつけて諦めてそれでも希望を持って生きていくしかないと思うんですけど、とても悲しくなった時、どうにもならない気持ちになった時に家まで押しかけて抱き着ける存在がいること、いつでも受け入れてくれる確信が持てる人がいるだけでその人はある意味で既に救われていると思うし、それが許される関係ってとても美しいものだと思うんですね。

伊佐ちゃんは物語の導入時に出てくるキャラクターで、その時の役回りは主人公の由真ちゃんが他の女の子の家へと渡り歩く時の仮宿みたいな扱いになってる一人暮らしの子、みたいな感じなんですけど、その時点でもう半同棲みたいな気心の知れた関係であることが明示されていて、雰囲気も良くてかなりラブ感が高いんですね。伊佐ちゃん自身は押しが弱い人ではなさそうなんですけど、愛ゆえに全てなんとなく許してしまうみたいな感じの。由真ちゃんはかなりそれに甘えてる。ちなみに物語の始まりは伊佐ちゃんが由真ちゃんに別れを切り出すところから始まるんですけど、そこでもういちゃついてるのでなんかもうって感じです。幸せ。

で、まあ霞ちゃんと希理ちゃんと由真ちゃんの三角関係的な何かをやります。まあ可愛い。良い。

で、なんだかんだで霞ちゃんと希理ちゃんとの間の関係が本当の恋だったんだねみたいな感じで2人の物語は終わるんですけど、由真ちゃんは正直に生きた結果ひとりぼっちになってしまったみたいな感じになるんですね。

で、途方に暮れた由真ちゃんが伊佐ちゃんの家に行くんですよ…行くんですよ…!
最高ですね。
そこで伊佐ちゃんが少し呆れた調子で応対する感じも既に最高ですね。もう理想です。こういうふうに生きたい。僕の人生における理想がこれ。受け入れられたい。はあ。話がそれました。もうとにかく最高なんですよ。

由真ちゃんにとっての想い人は別にいるんですけども、その人と会うことは既に叶わないんですね。そしてそれで由真ちゃんの心はぽっかり穴が空いてしまって、それはもう戻ることはない。ただそれでも、誰かが隣にいればその瞬間は少しだけ救われることが出来る。そして由真にとってひとときの救いを与えてくれる存在はもう伊佐ちゃんだけなんだけども、由真にとって今一番隣にいて安らげる人はきっと伊佐ちゃんなんだと思うんですよね。それはそれで幸せの一つの形なんですよ。きっと。

素敵だね。素晴らしいね。

想いは届かなくても、願いは叶わなくても、今幸せであることはきっと救いなんですよ。

僕はそう思うので二人のこの関係が大好きです。

素晴らしかったです。

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